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2006年9月10日 (日)

浜川のすべて その2

遅くなりました上に面白くない内容です。

静岡県立中央図書館で、「静岡市河川水路図」(図書情報へのリンク)という資料を見ました。
1991年現在の静岡市の地図と、市内の河川・水路の位置、そしてその“事務的な”名称が記されていました。

そこで確認できた内容ですが・・・

まず浜川です。
国道150号との交差地点である「念仏橋」から下流が、2級河川「浜川」です。

これより上流、大浜街道東側の自転車道の下を流れ、東名高速をくぐり、念仏橋まで流れてきている部分は「中央大第一雨水幹線」といいます。
また、東名高速-念仏橋間で合流する流れ、インター通りの「和風れすとらん 天狗」の裏から、SBS通りのプジョー横、静岡聾学校横を通ってくる流れは「中央大第二雨水幹線」といいます。

ええ、全くミもフタもない、夢もロマンもない名称です。

これらの「流れ」は河川では無く、「都市下水路または雨水渠(うすいきょ)」とカテゴライズされていました。

前回のエントリでも参考として上げましたが、河川のランクは次のように定義付けられています。

参考リンク(再掲)

1級河川wikipediaへのリンク
河川法に基づいて、1級水系(国土交通大臣が国土保全上または国民経済上特に重要として指定した水系)にある河川のうち、重要なものとして国土交通大臣が指定した河川のこと。

2級河川wikipediaへのリンク
1級水系以外で、重要なものとして都道府県知事が指定した水系が2級水系。
その2級水系の中で、重要なものとして都道府県知事が指定した河川のこと。

準用河川wikipediaへのリンク
1級河川・2級河川以外の河川で、重要なものとして市町村長が指定した河川のこと。
河川法で2級河川に適用される事項が「準用」されることから準用河川といいます。
1級河川や2級河川は起点・終点とセットで指定されます(例:浜川の場合、念仏橋から河口まで)が、この1級・2級河川として指定されなかった区間を、準用河川として指定する場合があります。
また、まとまった水系を持たないような単独の河川について指定することもあります。

ここまでは河川法に基づく定義です。

で、前回も少し触れました「普通河川」これは少々難解です。

普通河川
河川法が適用・準用されず、かつ下水道や農業用水路として管理されていない水路・水面のこと。
「法定外公共物」と言うそうですが、昔からあるもので、法律等による管理がされていない水路・水面の事です。
とはいえ、公共の財産、国の財産であり、現在は市町村がその管理を行っています。

で、話は戻りまして、浜川の上流部分は「都市下水路または雨水渠」です。

以後推測も交えて書きますと、元々は、「浜川」「新川」「桔梗川」という、普通河川としての名称を持っていたと思われます(それこそ江戸時代から)。
しかし、洪水対策の必要性から、昭和47年に静岡市総合排水計画という計画が作られ、市内の河川・水路による、雨水排水のおおまかな流れができました。
さらに昭和48年の国の通達で、普通河川の一部を下水道(雨水排水路)として管理しなさいよ、というガイドラインができました。

国の通達を乱暴に要約すると次のとおりです。
1.これまで普通河川だったもののうち、流域面積が2km2未満は下水道ですよ
2.でも、治水とか、せせらぎの保全とかの目的で、河川として管理した方が
  都合が良い場合は河川として良いですよ
3.流域面積が2km2以上でも、下水として整備したほうが便利だったり、別に
  河川としての価値が認められないものは下水道として良いですよ
4.まあ、河川とも下水とも分けられないものは、普通河川のままでも良いですよ
5.ちなみに、既に河川として整備してたり、下水として整備してたりしたら、
  上に書いてあることは気にしなくて良いですよ

以上の流れで、「新川」「桔梗川」が消滅し、都市下水路になったと考えられます。
また、「普通河川 浜川」は消滅し、「2級河川 浜川」は残ったと考えられます。
(これは、昔から2級河川として指定されていたためか、はたまた河川としての価値が認められた結果なのかは不明です)

まとめ
昭和40年代、「都市化」と「洪水対策の推進」という大きな流れの中で、都市部を流れる中小の河川が「雨水排水を目的とした都市下水路」として管理されるようになり、慣習的に呼ばれてきた名称が取り上げられた。
というのが、現在に至る流れのようです。
今頃、ニギハヤミシンヌシとニギハヤミキキョウヌシが、油屋で湯婆婆にこき使われているのかもしれません。

今後の課題
・狙いは昭和47年以前の資料
・でもそのころの正確な図面はあるのかな
・えーっと、今回の記事に対応する図面はさらにお待ち下さい

おまけ1
以前「あおい君」がコメントに書かれた、江川町交差点からはじまり八幡山西側を流れる水、これは現在は「静岡用水」という農業用水路として管理されています。
またその静岡用水は、「市商前水路(SBS通りから右折して東名まで)」「登呂東名南都市下水路(東名南側を石田街道まで)」「高松雨水幹線」と繋がり、石田街道と150号の交差、ミルポアの近くで浜川に合流します。

おまけ2
文中に挙げました国の通達「河川と下水道との管理分担区分」は、国土交通省の告示・通達検索で、上記のタイトルで検索することで全文が読めます(直リンクができませんでした)。興味のある方はどうぞ。

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