安い土地の理由(前編)
前のエントリで書いた格安物件ですが、当初気づかなかった背景がありました。
「市街化調整区域」だったのです。
マイホーム検討中の方はご存じだと思いますが、「市街化調整区域」には基本的に新しい家は建てられません。できるのは既存の建物の修復・リフォームまで。
住宅情報誌に、
・明らかに田舎
・超広い土地
・超格安
・古屋有り
なんて物件があれば、その紹介のどこかに「市街化調整区域」という文字がひっそりと並んでいるはずです。
建て替え・新築ができないからこその超格安なんです。
ただ、今回頂いた情報はちょっと毛色が違いまして、
・所在地は静岡市駿河区西島(この辺)
・更地(古屋なし)
・用途地域の指定あり
・メーカーからもらった図に「市街化調整区域」の文字無し(いかがなものか)
トラップにかかったのも無理ない、と思って頂けたら幸いです。
さて、続く話の前に「市街化調整区域」とか「用途地域」とかの説明を簡単に。
都市計画とは
都市(例:静岡市)を計画的に作っていきましょう、という計画です。
・この辺はハイソな住宅地にしよう
・住宅地の近くには商業施設も必要だ
・静岡だと住宅兼作業場なんて人も多いね
・ここは工場だけにしよう、家は建てちゃダメ
・ここは自然がいっぱいあるから残していこう
などなど、ゲーム「シムシティ」を思い出しますね。
住宅がバラバラで水道・下水道の整備が非効率的になったりとか、逆に住宅が密集しすぎて消防車が入れないとか、一戸建てと高層マンションと工場とがお互いに主張しあって不満爆発だったりとか、都市部の貴重な自然が消えて無くなったりとか・・・そういった不具合が無いよう、開発は計画的にね、という物です。
都市計画区域とは
市町村の全区域の中で、計画的に都市づくりをしていく区域のこと。
「ここからここまでは計画的に都市作りしますよ」と決めた範囲。
それ以外の範囲は「都市計画区域外」と呼びます。
ただし、都市計画区域外でも無制限な開発はできません。
森林、農地、河川、自然(動植物)などなど、まあ様々な法律がかかってまして、簡単に開発とはいかない様になってます(山林をお持ちの方の悩みのもとでもありますが)。
市街化区域・市街化調整区域とは
両方とも「都市計画区域」にあります。
市街化区域とは「市街化しましょう」という区域、市街化調整区域とは「市街化しないでおきましょう」という区域です。
用途地域とは
「都市計画区域」の中を、目的・性格別に分けた地域のことです。
土地を探していて「第一種住居地域」「第二種中高層住居専用地域」「準工業地域」なんて表記がありますが、この事です。
最初の都市計画の説明とダブりますが、こんな感じ。
「第一種低層住居専用地域」
2階建てくらいまでの家しか建てられない。土地いっぱいに家が建てられない。
空と庭が広い高級住宅地・新興住宅地なんかがここ。
住居以外ではごく小規模なお店・事務所しか建てられません。
「第一種住居地域」
住居のほか、一定規模のお店や事務所なんかは建てられます。
「第二種中高層住居専用地域」
アパート、マンションなどが建てられる住居地域。
基本的に住居専用なので、ごく小さなお店などしか建てられません。
「準工業地域」
周りに迷惑をかけない町工場なんかがある地域。住居もあります。
工場の音や臭いで苦労する人がいる一方、町工場が廃業して結果的に「閑静な住宅街」になったりもします。駿河区は結構多い。
「工業専用地域」
工場だけ。住宅建築不可。
では最初に戻って「市街化調整区域」に家を建てる場合、何が問題かという件を・・・
と思ったのですが、随分長くなってしまったので、次の回へ。
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